受付係の豆知識
受付係の仕事を引き受けた場合、会場へは少なくとも一時間前には着くように行きます。まずは喪家へ挨拶し、祭壇へ一礼します。事前準備としては、式の流れや会場の配置を確認をして把握した後は芳名帳、筆記具(黒の筆ペン・ボールペン・サインペンなど複数のタイプがあると良い)香典受け、返礼品などが揃っているか確認を行います。
お葬式が開始された後は、弔問者や参列者の方々へ挨拶をして迎え入れます。挨拶を受けたらお香典を受け取り、受付係はご遺族の代理として「本日はお忙しい中お越しいただき、ありがとうございます」というように、弔問に来てくださった事へのお礼を伝えましょう。
お香典を受け取る際は「お預りします」と言い、両手で受け取り一礼します。芳名帳へ記入をお願いする際は「恐れ入りますが、こちらにお名前とご住所をご記入ください」とお声掛けし、芳名帳に記帳していただきます。※香典を管理するため芳名帳の番号を香典の裏へメモしておくと良いでしょう。その後、返礼品(粗供養品・会葬御礼)をお渡しします。弔問者がお供物や弔電などをお持ちならお礼を言って受け取り、記帳します。その後でお供物は会場係や葬儀社のスタッフに渡し、祭壇にお供えしてもらいます。弔電は司会者や進行係に渡します。クロークがある場合はお荷物や上着をお預りします。受付が済んだらお香典を会計係にお渡しします。※通常、会計係は受付の後方で作業しています。香典泥棒の被害にあわないようにお金の取扱いにはくれぐれも注意をしましょう。
受付をする際の服装はお葬式に参列する人と同じ服装で問題ありません。ですから男性は黒のスーツ、女性は黒のスーツか黒いワンピースのセットアップなどを着用します。男女共に気を付けなければならないのは、光沢のあるネクタイや靴、装飾品などを身に着けないことです。女性の場合は高すぎるヒールを履くのは控え、3~6センチ程の控えめな高さがおすすめです。受付係を頼まれた場合には身なりを整えるのはもちろん、お越しの皆様にご遺族の代理として向き合う心構えでのぞみましょう。
お焼香は弔問者の頃合いをみてご案内をします。また、弔問者から化粧室や駐車場の場所を尋ねられることも多いのでご案内できるよう事前に葬儀会場のレイアウトを確認しておくことも大切です。その際にお葬式の流れも把握しておくと更にスムーズに対応できるでしょう。葬儀の規模によっては、受付係が式場の案内係も兼ねることがありので受付が済んだら式場へスムーズに向かえるように「式場・控室はあちらです」などお声掛けをし誘導しましょう。
座順の豆知識
葬儀の席は故人との関係を表す重要な役割があります。故人と関係の深い順から祭壇に近い席に座るのが一般的ですので来賓の席を前方に配置して新郎新婦の家族は後方に座る結婚式とは逆になりますので注意が必要です。葬儀会場の大きさや作りによって配置・配列が異なりますが、一般的には祭壇に向かって正面に通路がありその通路の左右に席がおいてある事が多いです。左右の席にも意味があり、祭壇に向かって右側が親族席、左側が一般席となっています。その中にも上座と下座があり基本的には祭壇に近い前の列が上座、祭壇から遠い後ろの列が下座となります。葬儀会場によって席が縦長や横長の場合がありますが、横長で席が配置されている場合も前列が上座であることに変わりはありませんがその中でも中央の通路に近い内側が上座となります。
座順が決まっている理由は、日本のお葬式の大多数が仏式で行われている事が深く関係しています。仏式の葬儀では式の間にお焼香を行うので葬儀を円滑に進める為にお焼香を行う順番、すなわち故人との関係性が近い方から前に座るような座順になっているのです。
お焼香の順番を考えた上で先に紹介した座順が決まっているとすれば、お焼香の順番は喪主を筆頭に、故人と関係の深い順に行うことになっているという事です。喪主がまず一番初めにお焼香を、次に遺族、親族というように親族の方から先に、その後に友人・知人や仕事関係などの一般の方へと続きます。祭壇に向かって右側が親族席、左側が一般席と決まっているのにも理由があり、お焼香の順番は右から左へと進みお焼香を行うことを円滑にすることが理由となっています。ただし必ずしもそうでなければいけないという訳ではなく、実際には家族単位で座る事も多く必ずしも前列の席が故人とより親しい間柄だったと言うわけではありませんし、お焼香を二つ用意してある場合などは遺族の後は左右同時に行う事もあり、その場合には遺族や親族が右側に座ると拘らずに左右の前方の席に座る場合もありますので、実際に確認することが大切になります。
葬儀の席では、故人と関係の深い順に上座から座ることはご理解頂けたかと思います。祭壇に向かって右側が親族席となり基本的な順番としては、喪主・遺族・近親者・親族の順に上座から座っていきます。席の前半が血縁関係の濃い喪主や遺族の席となり席の後半が孫や血縁関係の遠い親族の席となります。しかし、時には故人の配偶者を優先しなければいけない場合や、元々の血縁関係が濃くても下座寄りに座らなければいけない場合もあります。上座である最前列・中央の通路側の席に座るのは喪主になります。親族席では血縁関係が濃い順に座りますが、喪主に配偶者や子供がいた場合等は葬儀では基本的に家族単位で座るようになっている為に故人との血縁関係がない場合でも喪主の隣の席に座る事になります。ここで注意が必要なのが故人の配偶者がいる場合はまた座順が異なるという点です。故人との関係性が深いのは故人の子ではなく配偶者になる為、故人の配偶者がご存命で故人のお子様が喪主を務める場合には喪主が上座に座るのは変わりませんが隣に座るのは喪主の配偶者ではなく、故人の配偶者が優先されます。その次に故人の子や孫の順番で座っていきます。家族単位に座っていきますが、兄弟姉妹がいる際には年齢順に座る場合と男女別に座る場合がありますので実際に確認するようにしましょう。また、結婚して別世帯になっている場合には下座寄りに座らなければいけない場合もありますので座順については喪主や遺族間で事前に確認や話し合いをしておいた方が当日に慌てる事がなく葬儀を進められます。
残りの遠い血縁の親族の座順は基本的に自由となっていますので、ご自身が血縁が遠いという場合は後方の席に座るのが無難でしょう。
祭壇に向かって左側が親族以外の座る一般席となり基本的には故人と親しかった友人・知人、仕事関係の方などが座り、親族席と同様に関係性が深い順に上座へ座ります。喪主のサポートを行う立場の世話役代表や葬儀委員長が最前列の一番上座に近い位置に座り、残りは故人との縁が深い、友人、知人、会社関係の方が順番に座っていきます。会社や職場関係の方が座る際には、役職を持っている方や直属の上司や先輩など関係の深かった順になります。しかし、地域や親戚によって風習などがありマナーも異なる場合がありますので迷う場合は遠慮せずに、事前に分かっている方に確認をしておくか葬儀場のスタッフに確認するなどすると安心です。