献花と作法
葬儀では服装や作法などにおいても様々な決まり事やマナーがありますが、献花についてもある程度事前に知っておくと安心です。
献花とは、告別式でお焼香の代わりにお花を捧げる形式の際にお花をお供えする行為や使用するお花の事を言います。お焼香と同じく故人を弔うという意味を持つので、祭壇へお供えする際や棺の中へ入れる際には一人一本ずつお供えするのが一般的です。供花との違いとしては、供花は祭壇の脇や壇上に近親者や関係者によって供えられたお花に贈られた方の名入りの札を立てるのが特徴で、献花と同じように故人へのお悔やみの気持ちを示すものでもありますが、供花は飾り用としての意味合いもありますので参列者によって一人一本ずつお供えする献花とは明確な違いがあります。
献花を行う際の注意点は、故人へのお悔やみの気持ちを自分なりに伝えたい等の理由で自ら花屋へ行って献花を持参する事はしてはいけません。葬儀社や遺族に迷惑を掛けてしまう事にもなりかねませんので会場で用意されたお花を使用して献花しましょう。しかし、ファンなどの一般の方の為に用意される事のある有名人の献花式へ参列する場合はお花は持参しなければならなかったり、お花の種類が決められていたりする場合がありますのでそういった献花式へ参列する場合は、会場のお知らせを事前にしっかりと確認しておきましょう。
献花を行う際はまず、会場の係の方から花を両手で受け取ります。この際は花がついている上側を右手で持ち、根元の方である下側は左手で持ちます。そのまま遺族の方へ一礼し祭壇の方へと進み祭壇の前で一礼します。花がついている方を自分へ向けるよう祭壇に花を供えたら遺影を見て黙祷します。花を置く際には、持ち手を離さずに花を時計回りに回し、花が自分側へ向いたらそのまま祭壇へ丁寧に置きます。後ろへ下がり、最後に遺族や牧師へ一礼します。
こちらが一般的な献花の流れになります。単純な流れのように思えますが緊張すると間違えてしまう事も少なくありませんので、事前にしっかりと確認をするのは勿論のこと、一度練習してみるとより安心です。
宗教ごとの献花
最後に宗教ごとの献花の違いについてお伝え致します。献花は全ての宗教の葬儀で行われる物ではなく、主にキリスト教や無宗教の葬儀で行われることが多いです。献花を行う場合は白百合や白いカーネーションが使われることが多いのですが、違う花を使用した場合にも基本的には白い色の花が使われます。ですが、献花の色は白色の花を使用するのが一般的というだけで、絶対にこの色でこの花を使用しなければいけないという決まりがある訳ではないので故人が好きだったお花を色とりどり使用する場合もあります。また、一般的にはお葬式で使用しない棘のある花、具体的にはバラなども故人が好きだった際などに遺族の要望で使用する事もあります。